【column】高齢者専用賃貸住宅 〜住替え促進の出口戦略として不可欠
Byハウジングトリビューン/2006.22
住替え支援をめぐる動きが活発化してきているが、自宅を賃貸住宅などとして活用しようという高齢者は、“終の住処”をどこに求めるのだろうか。
そうしたなかで、“終の住処”の有力な選択肢として、高齢者向けの賃貸住宅が注目され始めている。
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2000年4月に施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者居住法)」では、「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」と「高齢者円滑入居賃貸住宅」という2つの高齢者賃貸住宅を制度化した。
前者は、「段差解消、階段寸法、手すりの設置など一定のバリアフリーを満たすもの」といった一定の要件を満たす場合、共同施設部分と高齢者仕様部分の建設費が補助される。加えて、入居者の家賃負担能力と市場家賃の差分を国と自治体が補助するという支援策も講じられる。
後者は、高優賃のような要件はなく、高齢者の入居を拒まない限り、その情報を財団法人高齢者住宅財団のホームページで公開することができる。
つまり、前者は満たすべき要件のハードルが高い代わりに、享受できるメリットが大きく、後者は要件のハードルが低い分だけ、メリットも少ないと言える。
そして、この二つの高齢者賃貸住宅の枠組みに昨年12月から新たに加わったのが「高齢者専用住宅(高専賃)」だ。
高専賃は、高優賃と高齢者円滑入居賃貸住宅の中間に位置するものであり、文字通り「専ら高齢者に賃貸する住宅」と定義されている。高優賃のような要件はなく、高齢者専用であれば財団法人高齢者住宅財団のホームページに情報を掲載できる。
介護保険法の改正で“終の住処”候補に
一方、今年4月に改正となった介護保険法では、一定の基準を満たした高専賃を特定施設に加えた。従来の介護保険法では、「介護が付いている住まい(居住施設)」として、特定施設(有料老人ホーム、軽費老人ホーム=ケアハウス)と認知症高齢者グループホームを認めていたが、ここに高専賃が加えられたのだ。
従来からある特定施設では、要介護者3人に対して介護職員1人という配置基準が適用される。結果として、事業者にとっては「要介護者であることを入居要件に掲げない限り、事業としての採算性を確保できない」ということになってしまう。例えば、ひとつの施設に要介護者2人と現時点では介護の必要がない高齢者が1人入居している場合でも、介護職員を1人配置しなくてはいけない。そうなると事業性という点では非効率な形態になってしまうのだ。そのため、「今は介護は必要ないが、将来に備えて介護サービスがすぐに受けられる環境に住替えたい」というニーズを満たすことができなかった。
対して、一定基準を満たした高専賃の場合、相談対応、安否確認、計画策定を除くサービスをアウトソーシングできる。つまり、「必要な介護サービスを必要な時に提供する」という体制を整えることができるのだ。こうなってくると、事業としての採算性を確保しやすくなるだけでなく、高齢者の「早めの住替え」ニーズを満たすこともできる。
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