【column】 5月から施行される「改正消安法」
By日本住宅新聞/2007.4.15
ガス給湯器などのガス機器で過去21年間に315人もの死亡事故を起こし、家庭用設備機器に対しての安全を強化するために、昨年消費生活用製品安全法(以下「消安法」)を改正、本年5月14日より施行される。
これが工務店にも大きく関係していることが分り業界は騒然。「対象品目は何か」「事故が起きたとき、工務店に対する責任問題に発展するのか」など、改正法施行を向かえ、さまざまな不安に包まれているようだ。
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製造・輸入を行なっている工務店は対象になる
改正消安法では消費生活用製品の製造時業者及び輸入事業者は、「重大製品事故」が発生を知ったとき、発生の事実を知った日から起算して10日以内に、当該消費生活用製品の名称、事故の内容等を主務大臣(経産省)に「報告」をしなければならない。
そして、工務店で自ら消費生活用製品を開発・販売したり、輸入を行なったりしていれば、同じ扱いとなる。一般に修理・設置工事などを行なっている工務店は、重大製品事故を知ったときは、当該消費生活用製品の製造業者又は輸入業者に通知するように努めなければならない(義務ではない)。
事故に対して責任を負う法律ではない
よく勘違いされることとして、消安法の大前提は、PL法(製造物責任法)などのように、事故に対して責任を負う法律ではないということ。
消安法はあくまで、製品の不具合、欠陥によって、事故が再発しないように知らしめることを目的としている。
どんな場合に報告するのか?
報告対象となる重大製品事故の具体例として、まず一般消費者の生命、身体に対する重大な危害のうち、@死亡事故、A重傷病事故(治療に要する期間が30日以上の負傷・疾病)または後遺症害事故、B一酸化炭素中毒事故。
そして、消費生活用製品が滅失、毀損した事故により一般消費者の生命、身体に対する重大な危害を生じる危険性のあるものとしてC火災があげられる。
消費者が自由に取り外しができるものが対象
消安法における消費生活用製品というのは、主に一般消費者の生活の用に供される製品(法第2条)とされ、簡単に言うと、家庭内にあるものは全て対象。
しかし、他の法律で厳しく安全基準が担保されているものは対象外となる(船舶〈船舶安全法〉、道路運送車両〈道路運送車両〉、医薬品〈薬事法〉などは対象外)。
そのため、住宅関連製品における対象商品の範囲を考える時、柱、壁、天井などの構造物、構築物は含まれず、それ以外は全てということになる。
例えば、その最たるものがエアコンである。当然、天井埋込形のエアコンも該当する。消費者が自分個人で設置するのではなく、業者に依頼して設置する場合でも同じ。
しかし、高気密高断熱住宅で用いるダクト式の換気装置は、家屋の一部分であり、自由に取り外しが出来ないものとして対象外となる。
個人の居宅で業務用製品を使うと消安法の規制対象外
そもそも消費生活用製品というのは、個人が店頭で自由に購入でき、家に持ち込んで使用するものというのが基本になる。
該当するものは、消費者の意思によって、容易に取替えができるものを指す。そのため、住宅も、個人が「買う」ものであるかもしれないが、基本的に“使う”ものではなく、住むものであるため該当しない。
また基本的に、業務用製品は除外されるが、設置場所が個人の居宅である場合は、消安法の規制対象となる(例・料理好きが業務用冷蔵庫を自宅に設け、事故にあった場合は、消費生活用製品としてメーカーは主務大臣に報告をしなければならない)。
消費者の100%誤使用、目的外使用が証明されなければ報告義務
消費者の誤使用が100%の原因で事故が発生した場合はメーカーに報告義務はない。しかし、子どもが悪ふざけして雨戸に手を挟んで大ケガをしたなどの行為についても、誤使用、目的外使用が証明されなければ、重大製品事故として扱われる。子どもと老人は要注意で、子どもは悪ふざけをするのは当たり前で、製品にまったく原因がなかったとは言えないからである。
とにかく事故があったら報告を、1%でもメーカーに責任があれば報告
工務店の施工ミスが事故原因の100%を占めているのであれば、メーカーは当然報告義務はない。しかし、1%でもメーカー側に施工ミスを誘発するような要因があれば、製品事故として扱われる。重大な製品事故と知った日から10日以内に報告しなければいけないが、施工ミスなのか製品の欠陥なのか、調べが付かないので、とりあえず報告し、その後追加の報告書を提出してもらう。
システムキッチンは?ユニットバスは?
基本的には、あくまで縛りがなく自由に交換できるもの、若干の工事が必要だけれども取り替えられるものが対象。・ビルトインの家具は対象にならないが、自由に開け閉めできるドア部分は、消費者が交換可能であるため、消安法対象商品である。
・ブロックキッチンはもちろん対象になるが、システムキッチンの場合はケースによって違う。 戸棚に指を挟んで怪我をした場合は、キッチンメーカーに報告義務があるが、設置してあるコン ロは取替えがきくので、その不具合の報告義務はコンロメーカーにある。
しかし特注製品1つにしか対応できない場合は、システムキッチンの部品とみなされ、キッチン メーカーに報告義務がある。
・ユニットバス自体は、部屋と同じになっているので構造物とみなされ対象外。しかし、ユニット バスに設置されている蛇口、シャワー金具、浴室換気暖房乾燥機などは、建築主自らが交換 可能で対象商品。
・アルミサッシも消費者の意思で動かすことができるため対象となる。
・タイルやクロスも消安法対象商品。一般に壁とは壁芯のことであるため、表面材は自由に交 換できるから。そのため塗料も同様。
判断が難しいものは、経済産業省消費経済部製品安全課に個別に相談してもらうのが良い。
商品点検して工務店の差別化に
工務店はこの改正消安法施行をきっかけに、OB客に安全点検を試みるべき。昨今のファンヒーター事故も極端に古い製品ばかりであるが、未だに使用している人たちは多い。耐用年数を過ぎて使用している場合でも、重大事故発生時は同様に報告義務が生じる。対象品目のリストをつくり業者に点検させていくことも工務店の生き残り策になろう。
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