column「200年もつ住宅」ではなく「200年もたせる住宅」
 Byハウジングトリビューン(創樹社)/2007.10

自民党が200年住宅ビジョンを策定しようとしていることもあり、住宅の超長寿命化に関する意識が高まってきている。こうしたなか、社団法人住宅生産団体連合会では、「長寿命な住宅に関する検討会」の最終報告を発表した。

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報告書には、住宅の長寿命を実現するために提言が盛り込まれており、このなかで長寿命化のための基本戦略として、「200年もつ住宅ではなく、20年×10で、“もたせる”住宅」を提案している。つまり、200年を20年×10回と捉え、20年ごとに点検維持補修することで、200年もたせようというわけだ。
旧・建設省が住機能高度化推進プロジェクトの一環として、「センチュリーハウジングシステム(CHS)」をスタートさせたのが80年のこと。また、各企業でも、住宅の長寿命化に関する取り組みを積極的に進めてきた。
しかし、本当の意味での長寿命は実現したのだろうか。確かにハードの部分の耐久性能は向上したが、そこに住む居住者の意識はどうだろうか。自宅を100年、200年持たせようと真剣に考えている人はどのくらいいるだろうか。さらに言えば、ハード部分の長寿命化が進んだとしても、長寿命化したストック住宅の価値が適正に評価される市場環境が整っていなければ、せっかくの性能も単なるオーバースペックで終わってしまう。
住宅が長寿命化したとしても、これまで通り30年で取り壊すということになってしまうからだ。「200年もつ」ではなく「200年もたせる」とは、そういう意味合いがこめられているのではないだろうか。
200年もたせる住宅を実現するためには、住宅供給者が一方的に進めていくだけでは不十分だろう。消費者も巻き込みながら住宅を長く使うという意識を定着させ、長持ちする住宅の価値を知らせることで、自然発生的にストック住宅が適切に評価されるマーケット環境が創造されていく―。この理想的な循環を生むために何をすべきか。住宅の長寿命化という課題を突き詰めていくと、自ずとストック社会の本質へと向かっていくはずだ。