“感性に訴える住まい”でユーザーの心と市場を動かす
   
最近、ビジネスの分野で「五感」や「感性」が重要なキーワードにんっている。見る、聞く、匂う、味わう、触ることで人間の感覚を刺激し、満足させ、心地よくなり、癒される。そうした商品・サービスを提供するビジネスが活性化しつつある。
経済産業省では今、「感性価値創造イニシアティブ」というプロジェクトを進めている。

「価格」「信頼性」「機能性」というプロダクトを構成するこれまでの要素に加え、「感性」を新たな価値要素として位置付け、これを経済価値に変えていこうというものだ。
ここでいう「感性」を経済産業省の言葉を借りるなら「理屈ではなく。直感的に“これはいい”と思う何か」だという。感性がユーザーの心を動かし、行動に移させ、産業と市場を刺激するというわけだ。

住宅産業は、この「感性」に訴えかける点で、アドバンテージがある産業だといえよう。「部屋の感じがいい」「どこか落ち着く」といった表現はまさにユーザーが感性価値を見出しているのに他ならない。
そして、感性が実需に繋がる、あるいは感性を企業戦略に組み入れる動きが住宅産業界でも目立ってきた。
 
   
例えばエヌ・シー・エヌでは、SE構法を採用した家づくりでこのほどコンテストを実施。
グランプリには、神奈川県逗子市でSE構法による住宅事業を展開するキリガヤの「湘南自然体の暮らし」が選ばれた。

施主はキリガヤのモデルハウスを見て「入った瞬間にいい、と思って床に寝転んだ。家づくりはキリガヤさんに決めた」と話している。
キリガヤの感性と施主の感性が一致し、実需に繋がった好例だ。
 
     

またログハウスのトップ企業であるアールシーコアは、このほどブランド名を変更。4月から「ビッグフット」から「BESS」へと切り替える。

スローガンは「建物ブランドから暮らしブランドへ」。同社のニ木浩三社長は、「BESSでは、“感性”に重きを置き、精神的豊かさの復権を掲げていきたい」としている。

これまで、日本の住宅は価格や品質、性能、機能で勝負をしてきた。しかし、市場が成熟するなか、これからはより「感性に訴えかける何か」で市場にアピールすることが重要になろうとしている。