出典:創樹社「ハウジングトリビューン」2008.dec.22
  住宅マーケットはいつまで数の拡大に支配されるのか
   
  ここ数年の住宅マーケットを支えてきたのが、団塊ジュニア世代を中心とした一次取得者であることは間違いない。この層が家族形成期へと入り、活発な住宅取得行動を起こしたことで、マンションや分譲住宅が活況を呈し、住宅マーケット全体の押し上げに寄与してきた。
良くも悪くも団塊ジュニアの動向に左右されてきた―。それがこれまでの住宅マーケットの姿だろう。果たして、この状況は今後も続くのか。
 
 
様々な見方があるが、「あと数年は一次取得者の需要は継続するのではないか」というのが大方の意見だろう。では、一次取得者の需要をある意味では“先食い”してしまったその数年後はどうなるのか。
景気が後退局面を迎えるなか、二次取得者だけでなく一次取得者でも様子見の姿勢が強まってきている。株価の下落によって親世代の保有資産が目減りするなか、予定の資金援助を受けられない一次取得者も出てきているという。
こうした状況によって、一次取得者の住宅需要が急激に消滅してしまうということはないだろうが、そろそろ大きな一次取得者の波が去った後のことを考えた方がいいだろう。2015年には世帯数が減少に転じると言われるなか、残された時間は長くはない。
団塊ジュニアを中心した一次取得者が住宅マーケットを下支えしてきたということは、需要層の単純な数の増加により市場が増加傾向にあったと換言できる。あえて乱暴な言い方をすると、戦後の住宅不足のなかで、量の拡大によって住宅市場が拡大したのと根本的な構造は同じだ。
もちろん民間企業として利益をあげるためには、足元で最も動きが活発な需要層を蔑ろにするわけにはいかない。ただし、その一方では眠り続ける二次取得者へ朝の到来を気付かせるような方策を検討すべきではないだろうか。
その方策とは、おそらく単純な建替えの提案だけではないのだろう。二次取得者層の将来への不安を取り除きながら、ニーズに応じて新築、リフォーム、住み替えといった選択肢を差し出してく。前線の営業マン達が新築にこだわらず、そうした提案ができるようになった時、住宅産業界は住生活産業という次のステップへ向かうのではないだろうか。